2009年11月11日水曜日

山水人日記「紅葉狩りハイキング」【史人】

 先日の日曜日(11.8)、山水人の奥にあるブナ原生林に
紅葉狩りハイキングに行ってきました。

山水人に入る手前のT字路に「←生杉ブナ原生林」という標識があるのが
ずっと気になっていたので、今回は紅葉の季節だし絶好の機会と思って
早起きして高速をとばし山水人にやって来ました。

山水人の田んぼの背景の山が色づいています。



山水人の奥の第一駐車場のさらに奥の方にずんずん行くと、
原生林入口のゲートが現れます。
よく晴れた日曜日だしちょうど紅葉の時期ということで、
ゲート前にはびっくりするほどたくさんの車が止まっていました。

歩いたのは地蔵峠(標高776m)というところからで、
生杉(滋賀県)の森とつながっている京都府の「芦生の森」と呼ばれる森です。
ここは京大が演習林ということで地元から99年契約で借りている広大な森です。
そのため開発から守られて今でも自然の姿が残されていますが、
 一部は実験林となっていてドイツトウヒの大木があったりと
全くの原生林ではないそうです。
また昔はクマザサがあたり一面びっしり生えていたそうですが、
今ではすっかりシカに食べられてなくなってしまい、
かわりに赤い実をつけたマムシグサ(アシュウテンナンショウ)が目立っていました。(これは毒草なのでシカが食べないため増えているそうです)

地蔵峠には中央分水嶺を示す標識が建っており、
峠の南北で水の流れが太平洋と日本海に分かれています。
そういった地理的な位置からこの森は暖温帯林と冷温帯林の移行帯に当たり、動植物の種類が多く、
ブナのほかに天然の杉やミズナラ、トチノキ、カツラ等々が混在するのが
この森の特徴だそうです。

芦生の森についてはこのサイトが詳しいです。
http://fserc.kyoto-u.ac.jp/asiu/main.gaikyou.html


↓ブナの木の幹にはこういった白い模様が入っています。



ブナの大木です。



カエデ類も紅葉していました。



先日しばらく気温が下がった時に降った雪がまだ残っていました。



あちこちに小川が流れ、よく晴れていても林の中なので暑くもなく、
起伏もはげしくない散歩のようなハイキングです。



しばらく歩いて長治谷というところでお昼を食べました。
ここは作業場跡で昔はドイツ風の風格のある丸太小屋が建っていたそうですが、
老朽化で壊され、今あるのは新しく造ったものだそうです。
研究者や学生が泊まることもあるそうですが、一般には公開されていないようでした。



松茸入りのおにぎりです。



目の前に紅葉した山が見られます。



おなかがいっぱいになったあとはしばしお昼寝‥。



ゆっくりしたあとで、また紅葉散歩です。



このあたりは冬に2mほども積雪があるところで、
天然杉(アシウスギ)は枝が雪の重さで地面に倒れ、
その接地したところから発根して新しい木として
成長していくという特徴(伏条更新)があるそうです。
下の写真はその様子を説明しているところ。



この日はトチノキの大木があるところまで歩き、そこからまた地蔵峠に戻りました。



芦生の森では春には石楠花の花がたくさん見られ、豆桜やヤマボウシの花も素敵だそうで、また新緑の季節にも行ってみたいなと思いました。

あぱっち